何度観ても面白いドラマ「アンナチュラル」

2018年1-3月期のドラマとしてTBSにて放映していた「アンナチュラル」。なんとわたし、このドラマ、10回以上観ています。何度観ても面白いんです。こんなに観ている人いるんですかね。今日はなぜわたしは「アンナチュラル」がこんなに好きなのか、について語ります。




法医学を題材にしたドラマ

このドラマを観るまでは、「法医学」というものを知りませんでした。聞いたことはあったのかもしれませんが、脳には残っていなかったんでしょうね。医者と言えば、病気を治すことがお仕事だと思ってましたが、法医解剖医という遺体を解剖して、死因を究明する医者がいるとは知りませんでした。

このドラマの中で「臨床医」という言葉も出てきますが、どうやらわたしたちが普段接するお医者さんは「臨床医」のようです。「臨床医」は命を救う医者ですが、このドラマの「法医解剖医」は命がなくなった原因を究明することがお仕事。日本は解剖率がとても低い国で、法医解剖医もとても少ないみたいです。ドラマでは150人くらいしかいないと言っていました。

医療系ドラマと言えば命を救う話ばかりですが(正直、飽きます)、このドラマはそうじゃない。そこに惹かれました。

魅力あるキャラクターたち

1クールもののドラマにもかかわらず、主要なキャラクターの設定がしっかりしています。しっかりしているというか、とても魅力的。主人公の三澄ミコト(演:石原さとみ)、三澄ミコトと同じく法医解剖医の中堂系(演:井浦新)、三澄ミコトと仲良しな臨床検査技師の東海林夕子(演:市川実日子)、ミコトと東海林の弟ポジションの久部六郎(演:窪田正孝)。頼れる上司の神倉保夫(演:松重豊)。

ミコトは誇りをもって法医解剖医をやってて、そこに惚れます。かっこいい!って何度もおもいました。この役はほんと石原さとみ合ってます。中堂系は衝撃的な過去を持ち合わせてます。とてもクールなキャラです。1話はとても性格悪い感じですが、2話で愛らしさが垣間見えてきます。3話ではもう中堂系にメロメロになります。かっこいい!ってなります。

ミコトと東海林と六郎の3人のやりとりは、楽しい職場そのもので、わたしもUDIラボで働きたくなります。UDIラボはこのドラマの舞台となる不自然死究明研究所の通称です。このラボに毎日のようにご遺体が運ばれてくるわけです。そんなUDIラボを立ち上げたのが神倉さんです。最終話では、こんな上司の下でわたしも働きたい!と思うシーンがあります。上司の鏡。

このドラマ、ラブはありません。そこがまたこのドラマの魅力でもあります。どうしてこのご遺体は命を落としたのか、をひたすら考えるドラマです。すべてのキャラクターが己の仕事を全うして、ご遺体がなぜ亡くなったのかを究明していく。己の仕事を全うしている人たちのドラマ、わたし好きなんですよね。

1話に散りばめられた最終話の伏線

何度も観ちゃう理由の1つがこれなんですよ。1話に最終話につながる伏線があるんですよ。ミコトと東海林の会話のなかに。1話を観て「このセリフがあそこにつながるんだよなー」と。休みの日の朝に1話から見始めたとしたら、夜にはもう最終話まで到達してますね。1度観始めるとほんと止まらないんです。

このドラマの伏線の張り方がわたしは好きなんだろうな、と思います。1クールもののドラマなのに、1話に最終話の伏線を盛り込むってめずらしくないですか。いや、最初に1話のそのセリフがあって、最終話に向けて、その1話のセリフをいい感じに使おうってなるのかもしれないけど、伏線を回収したようにしか見えないんですよね。

この伏線回収をまた観たいがために、また1話から観ようってなっちゃうという。無限ループです。

アンナチュラルで好きな話トップ3

正直、全話好きなんですけど、トップ3を提示するならば、これです。

1.旅の終わり(第10話=最終話)
2.名前のない毒(第1話)
3.遥かなる我が家(第8話)

やっぱ第1位は最終話でしょう。第1話の伏線回収、土葬の国と火葬の国、医療技術の進歩、アンナチュラルのすべてがこの最終話に詰め込まれています。中堂系が過去のしがらみから解放されるところも本当によかった、と思えます。アンナチュラルはぜひとも続編を期待したいドラマではあるのですが、1クールでとても綺麗な終わり方をしているので、続編はだらけてしまいそうな気もします。なので、このドラマは1クールでよかった気もします。この最終話を観たいがために、何度も1話から観返しちゃうんですよね。薬物的な何かがこのドラマから出ているのだろうか。

第1話は「法医学とは未来のための学問」と言っている意味が分かります。ネタバレするので、これ以上はいいませんが、アンナチュラルに人を引き込むには十分すぎるストーリー展開。後半からの大どんでん返し。自分がもし突然死したら、死因究明はされるのだろうか、と考えさせられました。正直、死因究明してもその人が生き返るわけではないのですが、身近な人の死が納得のいかない死だと感じたら、死因究明したほうがいいのかもしれない、と思わされました。

第8話は毎回泣きます。何度観ても泣きます。泣きたい時はこれ観ようって思うくらい。家族と離れて暮らしている人は特に泣けてしまうかもしれません。法医学によって、その人が最後にどんな行動をとったのかが判明して、それが残された家族に伝わり、家族のわだかまりが解消される。現実はこんな簡単な話ではないんでしょうけど、法医学の偉大さを改めて感じた話でした。

他の話もすごくいいんですけど(全部いい)、今回はこのくらいにしておきます。

また気が向いたら各話について詳しく語ろうかな。